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技術レポート
材質・熱処理について
ばね鋼鋼材

SUP材は主としてバネに使われることから「ばね鋼鋼材」と言われますが、実際には用途はバネ以外にも幅広く使うことができます。金属学「鉄鋼」の識別記号でJIS ではSUPを分類:特殊用用途鋼、規格:ばね鋼鋼材、 意味はS:Steel , U: Use そして最後のP:Spring (第二番目のスペルをとっています)ばねは力が加わると弾性変形したのちに、元に戻ろうとするため、この種の鋼材は高い「弾性限」と「耐疲労限」が必要になります。このため、大きな引張強さが必要となり、焼入れした高炭素鋼となります。またこの焼入れ後に、焼き戻しもしますが、「ばね戻し、中間焼き戻し」という言われ方をします。焼き戻しの際、高温すぎれば靭性(粘り強さ、靭さ)が大きくなりすぎてばねの形状が元に戻らず、低温すぎれば引張強さが大きくなりすぎ逆に靭性が小さくて脆いためにばねが折れてしまいます。最新のJIS G 4801:2005では「ばね鋼鋼材(SUP材)」としては、8種類について規定されています。

種類及び記号とその用途

種類の記号 鋼材名
用途
SUP6 シリコンマンガン鋼鋼材 主として重ね板ばね・コイルばね及びトーションバーに使用する。
SUP7
SUP9 マンガンクロム鋼鋼材
SUP9A
SUP10 クロムバナジウム鋼鋼材 主としてコイルばね及びトーションバーに使用する。
SUP11A マンガンクロムボロン鋼鋼材 主として大形の重ね板ばね・コイルばね及びトーションバーに使用する。
SUP12 シリコンクロム鋼鋼材 主としてコイルばねに使用する。
SUP13 クロムモリブデン鋼鋼材 主として大形の重ねばね・コイルばねに使用する。

※SUP(高炭素鋼ばね鋼鋼材)について。
 この規格は、 重ね板ばね、コイルばね、トーションバーなど主として熱間成形ばねに使用するばね鋼鋼材 について
 規定したものでありますが、最近の生産及び使用の実態を踏まえて、規格内容の充実を図る為、2005年版の改正で
 SUP3 (高炭素鋼ばね鋼鋼材) は廃止されました。


種類及び記号とその成分

種類の記号
C
Si
Mn P(1) S(1) Cr Mo V B
SUP6 0.56~0.64 1.50~1.80 0.70~1.00 0.03以下 0.03以下 - - - -
SUP7 1.80~2.20
SUP9 0.52~0.60 0.15~0.35 0.65~0.95 0.65~0.95
SUP9A 0.56~0.60 0.70~1.00 0.70~1.00 0.15~0.25
SUP10 0.47~0.55 0.65~0.95 0.80~1.10 - 0.0005以上
SUP11A 0.56~0.64 0.70~1.00 0.70~1.00 -
SUP12 0.51~0.59 1.20~1.60 0.60~0.90 0.60~0.90
SUP13 0.56~0.64 0.15~0.35 0.70~1.00 0.70~0.90 0.25~0.35

一般的なばね鋼の特性

ばね鋼の特性として、板ばね・つる巻きばね・皿ばねなどに使われる材料となる鋼です。JIS(日本工業規格)ではばね用鋼として、構造用普通鋼・構造用合金鋼・高炭素鋼・ピアノ線用鋼・およびとくにケイ素の添加量を増した成分の鋼の棒材・線材・条などが当てられています。ばねとして弾性限が高いことと、破壊靱性(じんせい)がある程度保持されていることが重要となり、また繰返し負荷に対してクリープ変形をしないことが必要です。そこで、ばねとして成形してから焼入れ・焼戻し、あるいは最もひずみ量が大きくなる表層のみの硬化処理を行い、更に耐クリープ性をつけるために、温間で荷重し、そのまま冷却する安定化処理などを行って、ばねとしての性能を保証しています。



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